「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」に限らずポケモンの話には努力値、個体値、種族値の3ワードが付き物です。絶対知っておきたい常識の解説!
ポケモンの努力値・種族値・個体値の徹底解説!基礎性能や内部数値、仕組みを知ることで育成やポケモン対戦で強くなれる
ポケモンの話をするときに必ずといって良い程に出てくる「努力値」「個体値」「種族値」についてしっかり理解していなければポケモン対戦で勝つことは難しいのが実際のところ。
これらは非公式な呼び方ではあるものの、これらの知識はポケモンプレイヤーの間では常識とされているものです。
初の完全なオープンワールドゲームとなったポケモンSVから初めてポケモンを触ったり、久しぶりに復帰、あるいは本格的にポケモンをやってみようと思った方もいると思いますので、そんな方向けにまとめて解説をしていこうと思います。
種族値とは?ポケモンごとに設定されている基本性能と考えて良い
まず「種族値」について見ていきましょう。
ポケモンは進化させた方が強いのはゲームをプレイしていても分かると思いますが、「なぜ進化させた方が強くなるのか」と思ったことはありませんか?
例えば同じレベル50の「ニャオハ」を「マスカーニャ」と戦わせたら余程のことがないとニャオハではまず勝てません。
どうしてかというとレベルなどとは別のポケモンの基本性能である種族値に大きな差があるからです。
種族値はポケモンの基本スペック
ニャオハの種族値 | |
---|---|
HP | 40 |
こうげき | 61 |
ぼうぎょ | 54 |
とくこう | 45 |
とくぼう | 45 |
すばやさ | 65 |
合計 | 310 |
これはニャオハの種族値です。
こうげきとすばやさが他のステータスよりも高めに設定されているのがわかりますね。ただ、すべての数字を合計しても310しかありません。
マスカーニャの種族値 | |
---|---|
HP | 76 |
こうげき | 110 |
ぼうぎょ | 70 |
とくこう | 81 |
とくぼう | 70 |
すばやさ | 123 |
合計 | 530 |
一方のマスカーニャを見てみましょう。圧倒的な差があるのがわかりますよね。種族値合計も530あります。
育成方針が同じ(後述する努力値)である場合、どう頑張ってもニャオハではマスカーニャに数字上勝てないわけです。
種族値はポケモンごとに設定されているので一般的に最終進化ポケモンの方が強いとされているのはこのためです。
また種族値自体を変更することは絶対にできません。そのため、種族値はポケモンの基本性能と考えてください。
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伝説のポケモンが強いのは種族値が高いから
ちなみに、強いポケモンといえば「伝説のポケモン」を思い浮かべると思いますが、伝説ポケモンが強いのもこの種族値が高く設定されているからです。
コライドンの種族値 | |
---|---|
HP | 100 |
こうげき | 135 |
ぼうぎょ | 115 |
とくこう | 85 |
とくぼう | 100 |
すばやさ | 135 |
合計 | 670 |
例えば、スカーレット版で捕まえることができるコライドンの場合ですが、ご覧のように合計値が670もあります。
先ほど同様にどんなに頑張っても育成方針が同じであったなら、マスカーニャでコライドンのすばやさを抜くことはできないということですね。
このように伝説ポケモン、または準伝説ポケモンなどはとんでもなく高い種族値を持っていてぶっ壊れ性能になっているので強いのですが、ランクバトルなどのレギュレーションがある場合は伝説ポケモンは出禁を食らうことがあります。
個体値とは?ポケモンの個性ともいえるが通常は全部最大であることが前提。訓練できたえることができるのはこの個体値の部分
次に「個体値」について見ていきましょう。
捕まえたばかりの同じレベルの同じポケモン、性格も一緒なのにステータスが違うのは何故だろうと疑問に感じたことがあるかもしれません。
それは個体値が違うからです。個体値はポケモンの個性ともいえる内部数値で、0から31までのランクがあります。
そして、個体値が高いほどステータスの数字も高くなります。
ポケモンの個体値診断方法
ポケモンSVではゲームクリア後に開放される機能として診断機能がありますが、これは個体値を教えてくれるものです。
ランクごとの各ステータス診断の台詞は、
個体値 | セリフ |
---|---|
31(V) | きたえた! |
31(V) | さいこう |
30(U) | すばらしい |
26~29 | すごくいい |
16~25 | かなりいい |
1~15 | まあまあ |
0(逆V) | ダメかも |
このようになっています。
「VとかUとかって何?」と感じた方もいるはずです。これは32進数で数えたときに31がVになるからということでポケモンユーザーの間では良く使われています。
「6Vメタモン」なんて言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これはメタモンのステータス6つの個体値が全部31であるということを指しています。
メタモンはどのポケモンとでもタマゴを作ることができて、タマゴには両親から通常3つ、最大で5つの個体値を引き継ぐので、優秀なポケモンを育てるためにはとても重宝されているというわけですね。
フリッジタウンにいるNPCに【ぎんのおうかん】または【きんのおうかん】を渡してポケモンに「すごいとっくん」を施すことができますが、これはこの個体値を強制的に31に引き上げることができるシステムです。その場合は「きたえた!」と表示されます。
昔のポケモンはこうした仕組みがなかったため、ひたすらタマゴで個体値厳選をしていたのですが、最近では個体値をMAXにするのは簡単になりました。
ただ、特訓で鍛えた場合は元々備わっていた個体値ではないため、そのポケモンを親にしてもタマゴには鍛えた個体値は引き継がれません。
ポケモン対戦などでは個体値MAXが前提だが一部例外もある
個体ごとに違うものなので個体値、ちょっとした個性のようなものですが、ポケモンバトルにおいてはやっぱり強い方が勝つわけです。
そのため基本的にはポケモン対戦での話などをするときはこの個体値は全て31(V)であることが前提になっています。
ステータス数値は高い程良いわけですから、当然個体値は最高にしておくべきですよね。
ただ、上級者になるとあえて個体値0(逆V)や低い個体値を狙う場合もあります。
例えば意図的にポケモンの行動を相手より遅くしたい場合であったり、特殊攻撃しかしないポケモンの攻撃を最低にしておく場合などです。
素早さを下げておけば後攻になる率が増えることから、ジバコイルの特性:アナライズ(後攻になると技威力が上がる)が活きてきますし、特殊アタッカーであるハピナスのようなポケモンの攻撃を個体値0にしておけば、混乱させられてしまったとき(混乱時の自傷ダメージはそのポケモンの攻撃力依存)などに有利になります。
個体値の存在を知ったばかりのプレイヤーはここまで意識しなくても良いですが、こういう考え方もあるのだということは覚えておくと良いでしょう。
努力値とは?ポケモンの育成時にどのステータスを伸ばすか決める大事な数字。ゲーム内では基礎ポイントと表記されるのがこれ
次に「努力値」についてみていきましょう。努力値というのも非公式な呼び方で、ポケモンのゲーム内では「基礎ポイント」と書かれているのがこれです。
努力値はポケモンを倒したり、努力値を上げるアイテムを使うことにより割り振ることができます。
努力値は510ポイント割り当てできる
努力値は合計で510ポイントまで割り振ることができて、このポイントを割り振られたステータスは伸びやすくなるのです。1つのステータスには最大で252まで振ることができます。
マスカーニャの「すばやさ」の例で考えてみましょう。
レベル50の時点で「ようき」な性格かつマスカーニャの個体値が全て最大(6V)だった場合、
- 「すばやさ」に努力値0 = 157
- 「すばやさ」に努力値252 = 192
これだけの差が生じます。
これが前述していた育成方針にかかわるもので、同じポケモン・同じ個体値であっても努力値が振られていなければステータスに差が付くわけです。
努力値をどれだけ振っているかを視覚的に確認する方法もあるのでこちらの記事も合わせてご覧ください。
努力値は4ポイントごとに機能する
努力値は4ポイントごとに影響を与えるものとして機能しますので、4で割り切れる数字を振らないといけません。
例えば「HP」と「こうげき」に252ずつ割り振った個体値6Vキョジオーンで、余った努力値の6を「すばやさ」に3、「ぼうぎょ」に3などと割り振ってしまうと、この3ずつ振ったところは完全に無駄になります。
もしキョジオーン同士が戦っていたとして、相手のキョジオーンが「すばやさ」に4以上振っていれば必ず先に行動されてしまうので不利になります。
特にすばやさなどは実数値の1の違いが勝敗を決めることになったりするので、努力値の振りミスは避けたいところです。
ちなみに合計510ポイント振れるわけですが、4で割っていくと必ず2ポイント余ってしまいます。これはどこに振ったとしても意味がないのでどこでも良いのですが、後できのみでリセットしたいときなどに分かりづらくなりがちなので、4とかを振ったところに割り当てておく無難でしょう。
先ほどのキョジオーンの例なら【HP:252 / 攻撃:252 / 素早:6】みたいな感じですね。
【努力値を上げる方法1】ポケモンを倒す
努力値の仕様が分かったところで、どうやって努力値を上げるかについてみていきます。
もっとも基本的なのは野生のポケモンを倒すことです。ポケモンを倒したときに1から2程度の努力値が貰えて、その際どの努力値を貰うことができるのかはポケモンごとに決まっています。
例えばコイキングやキャモメなどであれば素早の努力値が1貰えますし、ヤングースなら攻撃の努力値が1貰えます。
ポケモンSVではオープンワールド化したことにより、ポケモンとの遭遇は完全にシンボルエンカウント方式になっているので、狙った努力値を得やすい環境になりました。
「じゃあ素早さに努力値を252振るには、コイキングを252匹倒さないと駄目?」と考えるでしょう。昔のポケモンだと確かにその作業が必要だったのですが、最近では便利なアイテムが登場するようになりました。
ポケモンSVではデリバードポーチで各種1万円で購入できる、
- パワーリスト(攻撃)
- パワーベルト(防御)
- パワーレンズ(特攻)
- パワーバンド(特防)
- パワーアンクル(素早さ)
- パワーウエイト(HP)
これらのアイテムを育てたいポケモンに持たせた状態で戦うと、努力値を+8ポイントしてくれます。
つまり、パワーアンクルを持たせてコイキングを倒したとすると、1回で9ポイントの努力値が入手できるわけです。
これなら252を振り切るまでに28匹倒せば良いことになりだいぶ回数が減らせます。
しかも、別に持たせたポケモン本人が戦う必要はなくて、努力値はてもちポケモン全員に同じ量が配分されます。
既に育成が完了したポケモンを先頭にして、育成したいポケモンに先ほどの道具を持たせ、後は対象のポケモンを倒すだけで大丈夫です。
とても便利な仕組みではありますが、「てもちポケモン全員に入る」という点に注意が必要です。
もし育成が完了していないポケモンがてもちにいた場合、そのポケモンにも努力値が入ってしまうため配分ミスが起こる可能性があります。
複数体同時に同じステータスの努力値を振りたいならそれでも良いですが、別の努力値を上げたい場合はボックスに預けて手持ちに入れないようにしましょう。
【努力値を上げる方法2】基礎ポイント上昇アイテムを使用する
努力値を上げるもうひとつの方法は基礎ポイント上昇アイテムを使用することです。
基礎ポイント=努力値なのは前述のとおりですが、
- マックスアップ(HP)
- タウリン(攻撃)
- ブロムヘキシン(防御)
- リゾチウム(特攻)
- キトサン(特防)
- インドメタシン(素早)
これらのアイテムは各努力値を+10ポイントしてくれます。
例えばインドメタシンを26個使えば、一瞬で素早さに努力値252振り切ることができるわけです。
非常に便利で育成の時短になるのですが、このアイテムたちは1個1万円というかなりの高級品なので、仮に全部の努力値を薬で賄おうとすると1体あたり50万円程度消費してしまいます。
別途金策を行っていれば別なのですが、お金がないという場合は前述のパワー○○系アイテムを持たせてポケモンを倒した方が良いでしょう。
同じく基礎ポイントを上げてくれる、
- たいりょくのハネ(HP)
- きんりょくのハネ(攻撃)
- ていこうのハネ(防御)
- ちりょくのハネ(特攻)
- せいしんのハネ(特防)
- しゅんぱつのハネ(素早)
これらのアイテムは各努力値を+1ポイントしてくれます。
「何で1ポイントしか上がらないの?」と感じるかもしれませんが、これは微調整用です。努力値4ごとに効果がでるのは前述のとおりですから、10未満の微妙な数値を振りたいときに使うことになります。
【努力値を下げる方法】間違えたり育て直したいときはきのみを使う
努力値の配分ミスをしてしまったり、あるいは型を変えたいときなどで努力値を下げたいと思うこともあるでしょう。
そういう場合は、
- ザロクのみ(HP)
- ネコブのみ(攻撃)
- タポルのみ(防御)
- ロメのみ(特攻)
- ウブのみ(特防)
- マトマのみ(素早)
これらのきのみを努力値を下げたいポケモンに使うことで、対応したステータスの努力値を1個で-10してくれます。
現状ポケモンSVでは努力値のリセットをするにはきのみを使うしか方法がありませんので、このきのみはたくさん必要になると思います。
きのみの集め方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
性格補正は上がりやすい能力(1.1倍)と上がりにくい能力(0.9倍)が生じる。ミントでいつでも変更可能
ここまでで種族値・個体値・種族値について理解できたと思います。最後に性格補正についても合わせて知っておきましょう。
ポケモンには色々な性格がありますが、この性格によってステータスに補正がかかります。かかる補正値は1.1倍と0.9倍の2つです。どれかが上がればどれかが下がるという話ですね。
例えば「ようき」な性格であれば、特殊攻撃が0.9倍になる代わりに、素早さが1.1倍になります。
ですから、最速物理アタッカーとしてマスカーニャを育成する場合は「ようき」な性格で、個体値が特殊攻撃以外31(V)で、努力値を攻撃と素早に252振れば最強最速のマスカーニャが育成できるといった具合です。
ステータスのグラフのところに、上矢印と下矢印が付いているのが分かると思います。これが上がりやすい能力と下がりやすい能力を表しているので、視覚的に判別できるようになっています。
ポケモンの性格というのはタマゴから孵った、あるいは捕まえた時点でランダムに決定されます。
昔のポケモンはこの性格が狙ったものがでるまでタマゴ厳選する必要があったわけですが、最近は便利なアイテムとしてミントが存在します。
ポケモンの性格自体は元々の性格から変わることはありませんが、性格補正の部分だけを変更することができるのがこのミント系アイテムです。
これらのミントはラッキーズで売っています。
先ほどのマスカーニャも本来は「しんちょう」な性格なのですが、ようきミントを使ったことでステータス補正の部分だけ特攻↓素早↑になったというわけです。
ミント系アイテムは消費アイテムですが同じポケモンに何回でも使えるので、後から性格補正を変えたいときにいつでも変更可能です。
色々な性格がありますがポケモン対戦時に不利になるため、基本的に防御・特防・素早を下げる補正を行うことはありません。
種族値・個体値・努力値・性格補正を理解して最強のポケモンを育成しよう!
ここまで結構な量の内容だったと思います。
初めて種族値、個体値、努力値や性格補正の仕組みを知ったという方は「全部一気に覚えられない!」となるかもしれませんが、少しずつポケモン育成をするうちに自然と覚えられるようになりますので安心してください。
まずは大好きなポケモンや一緒に戦いたいポケモンを選んで、そのポケモンの種族値を調べてみると良いでしょう。
そうすると、そのポケモンの得意なことや役割というのが見えてきます。
得意なことを伸ばした方がポケモン対戦では強いので、覚えるわざや特性も考えながらどのステータスを伸ばすか育成方針を決めましょう。
育成方針が決まったら、あとは努力値を振ったりしていけば立派に戦ってくれるポケモンが育てられますよ!
ポケモンは知識ゲームな側面もありますから、仕様をしっかり把握するところからポケモン勝負は始まっています。ぜひ自分の考えた最強のポケモンを育ててくださいね!
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