「IPX6」などの表記は防水・防塵の程度を示すIPコードというもので、等級で性能が異なり表記ルールがあります。IPコードについての詳細を知ろう!
IPXではなく「IP」コード!防塵/防水の性能等級を表す数値でXは数字部分を省略しているだけ。詳しい表記ルールと等級ごとの性能詳細
スマホやデジカメ、家電機器などのカタログやCMなどで「IPX6」などの表記を見ることがあります。何となく防水とかの規格なんだろうな~と認識している人が多いと思いますが、詳しく性能を把握している人は少ないかもしれません。
「IPコード」という保護等級についてみていきましょう。
IPコードは防塵性能、防水性能の順序で等級を数字で表記する。IPXではなく、「IP」だった
防水性能をうたい文句にする製品が増える中、「IPX5」とか「IPX6」といったものを多く目にするため、「IPX」というのが防水性能を示しているのかと思ってしまいますが、実は違います。
防塵、防水の性能表記は「IP(International Protection)」というもので統一されており、その表記ルールが決まっています。この等級表示をするためには規定に従った試験を通過しなければならず、勝手につけることはできません。
性能表記をするときは、このようにIP〇〇と書き、IPに続く数字部分が性能等級を表しています。
数字部分は左から順番に「防塵性能」「防水性能」を表していて、その試験を行っていなかったりどちらか一方のみの性能を示したい場合は対応する数字部分に「X」を入れて省略表記するルールになっているのです。
ですから、防水性能に対してのみ表記する場合はIPX6というように表記します。
防塵→防水の順序で表記しているので、例えば製品として稀ですが防塵性能のみ表示する場合はIP6Xという表記になるんですね。
ついついローマ字と数字の組み合わせでみてしまってIPXという略称に誤認してしまいそうになりますが、保護レベルを表す記号はIPが正しい略称となります。
防塵性能0から6までの7段階、防水性能は0から8までの9段階で規定されています。この表記でいくとIP68というのがもっとも防塵・防水性に優れている性能というわけです。
IPコードによる防水防塵の保護性能指標。防塵が6級まで、防水が8級まで設定されている
IPコードの保護レベルによる具体的な防塵・防水性能の指標は次のようになっています。
防塵(外来固形物に対する保護等級)
保護等級 | 内容 |
---|---|
0級 | 特に保護がされていない |
1級 | 直径50mm以上の固形物が中に入らない(握りこぶし程度を想定) |
2級 | 直径12.5mm以上の固形物が中に入らない(指程度を想定) |
3級 | 直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない |
4級 | 直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない |
5級 | 有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形) |
6級 | 粉塵が中に入らない(耐塵形) |
防水(水の浸入に対する保護等級)
保護等級 | 内容 |
---|---|
0級 | 特に保護がされていない |
1級 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形) |
2級 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形) |
3級 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形) |
4級 | あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形) |
5級 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
6級 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
7級 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
8級 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
ただ防水に関してはIPX7までは試験内容についての規定があるのですが、IPX8については試験規定が存在せず、IPX7よりも厳しいというものだけなので実際のところはメーカーの独自規格的な部分があります。
保護レベルごとにどんどん厳しくなる試験内容。スマホや電気製品の保護等級を調べて購入するときの参考にしてみよう
こちらは実際の防水試験の内容で、IPX4→IPX5→IPX6と順番に試験を行っていく様子が収められています。実際のものを見てみると文字で見る以上に過酷な試験が行われているのがわかりますね。
防護性能が高いほど安心して使えるのは間違いありません。
スマホやデジカメなどの電気製品を買うときに、IPコードも参考にして購入を検討する材料にしてみてはいかがでしょうか。
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