PS4のスリム版と同時に、PS4の上位版である「PS4 Pro」も発表されました。
今回はPS4 Proと現行版PS4(CUH-1200)を比較検証します。
現行版(CUH-1200)と比較するとPS4 Proは重量、サイズ、消費電力が大きくなる。その代わりGPU性能が向上!
前回の記事でスリムPS4(CUH-2000)と現行版PS4を比較しました。
今回は16年11月10日に発売される、高性能版PS4「PS4 Pro」型番(CUH-7000)と、現行版のPS4(CUH-1200)を比較してみましょう。
名称 | プレイステーション4 Pro | プレイステーション4 |
型番 | CUH-7000シリーズ | CUH-1200シリーズ |
本体色 | ジェット・ブラック | ジェット・ブラック/ グレイシャー・ホワイト |
メインプロセッサ | Single-chip custom processor CPU : x86-64 AMD “Jaguar”, 8 cores(動作クロック向上) GPU : 4.20 TFLOPS, AMD Radeon™ based graphics engine |
Single-chip custom processor CPU : x86-64 AMD “Jaguar”, 8 cores GPU : 1.84 TFLOPS, AMD next-generation Radeon™ based graphics engine |
メモリ | GDDR5 8GB | |
HDD | 1TB | 500GB / 1TB |
外形寸法 | 約 295mm×55mm×327mm(幅×高さ×奥行き) (最大突起含まず) |
約 275mm×53mm×305 mm(幅×高さ×奥行き)(最大突起含まず) |
重量 | 約3.3kg | 約2.5kg |
光学ドライブ(読み出し専用) | BD 6倍速CAV DVD 8倍速CAV | |
入出力 | Super-Speed USB (USB 3.1 Gen1) ポート×3 AUXポート×1 |
Super-Speed USB (USB 3.0)ポート×2 AUXポート×1 |
通信 | Ethernet (10BASE-T, 100BASE-TX, 1000BASE-T) IEEE 802.11 a/b/g/n/ac Bluetooth® 4.0(LE) |
Ethernet (10BASE-T, 100BASE-TX, 1000BASE-T)×1 IEEE 802.11 b/g/n Bluetooth® 2.1(EDR) |
電源 | AC 100-240V, 50/60Hz | AC 100V, 50/60Hz |
消費電力 | 最大310W | 最大230W |
動作環境温度 | 5℃ – 35℃ | |
AV出力 | HDMI®出力端子(4K/HDR出力対応) 光デジタル出力端子 |
HDMI™出力端子 光デジタル出力端子 |
よくPS4での比較では、最初期のPS4(CUH-1000)が用いられることが多い(その方が見栄えが良いから)のですが、ここでは現行モデルであるCUH-1200との比較です。
特に大きな違いの部分を赤字で表記しています。
まずざっくりと両者の比較をまとめると、
- CPU動作クロック向上とGPUパワーアップによって性能が強化された
- 4K/HDR出力対応した
- USB3.1に対応してポートが1つ増えた
- IEEE 802.11 acとBluetooth® 4.0(LE)に対応した
- 最大消費電力が80W増えた
- PS4本体重量が800g増加した
- PS4本体の幅と奥行きが2cmずつでかくなった
このような違いになります。
GPUパワーアップによる4K対応とフレームレート向上
やはり目を引くのは性能面でのパワーアップ。GPUの処理性能が1.84TFLOPSから4.20TFLOPSへと向上しており、4K解像度の出力に対応しています。
4Kのモニターやテレビが無い場合でもPS4Proの恩恵は受けられる
でも4K、4Kと騒がれますが、いったいどれほどの方が「4Kテレビ」や「4Kモニタ」を所持されているのでしょうか。
4Kテレビが無いならPS4Proは無駄になるんじゃないのか?と思ってしまいますが、決してそうではありません。
ファミ通でのPS4設計統括者へのインタビュー記事では、
――PS4 Proの見どころは、やはり4K解像度のグラフィックが楽しめることかと思いますが、「4K対応テレビがなければ、その性能を活かせないのでは?」という不安の声もあると思います。ですが、発表内容によると、4K非対応のHDテレビでも向上したゲーム体験が味わえるとあります。この点について、詳しく教えていただけますか?
伊藤 2KのHDテレビにつないでいただいても、PS4 Proのパワーを使って、いい画質で楽しんでいただけます。すべてのゲームを1080pで楽しめますので、たとえば720pで作られたゲームも、1080pにアップスケールして出力されます。
引用元:famitsu.com
このように述べられています。
2KテレビとはフルHDのことですが、今大半の方はフルHDのモニタ、あるいはテレビを使用していると思います。
高解像度による画面の美しさだけでなく、性能向上によってフレームレートが安定するのはゲーマーにとっても嬉しい話です。
例えば3Dアクションシューティングゲームなどの爆発シーンであったり、表示するオブジェクトが多い場面では60fpsで表示しきれないことが多々ありますが、マシン性能が上がるほど、より安定した出力が可能なわけです。
体感的に「重い」と感じることがなくなるはずです。ゲーマーのストレス要因がひとつ解消されますね!
USBポートが1つ増えたのはPS VR用?
PS4は今までUSBポートが2つでしたが、PS4 Proでは背面に1つ増設されており、合計3つのUSBポートを備えています。
これについて先程引用したファミ通の同インタビュー内で、「特にPS VR用に増やしたというわけではないが、当然使用できます」との回答でした。
現行版PS4ではコントローラを充電しながらUSBヘッドセットを接続したりして使うとそれだけでポートが埋まってしまっていたので、物足りなく感じていた方には嬉しい変更でしょう。
性能向上のために犠牲になったもの。消費電力、軽さ、そして大きさ
もちろんPS4 Proになって性能が向上した分、犠牲になった部分もあります。
まず現行版PS4と比較すると、消費電力が最大で80Wも増加しました。スリム版PS4が現行版比較で65W減少したのに比べるとずいぶん増えたように感じてしまいます。
重さも800g増加しており、PS4本体の幅と奥行きが2cmずつ大きくなってしまいました。
PS4の寸法を良く考えないと、設置予定の場所に収まらないということもありえますのでその点はご注意。
最上位機種だけあって、値段もパワーアップ!しかし光デジタル出力端子が付いている!用途に合わせて購入したい
スリム版PS4の記事で光デジタル出力端子が無いことを書きました。
そちらの記事内にも追記しましたが、光デジタル出力端子利用依存度と、それを省略することによるコスト的なメリットを判断した結果、スリム版PS4からは省かれてしまう結果となったようです。
しかし、PS4 Proは最上位機種、フラッグシップモデルですから当然光デジタル出力端子も備わっています。
光デジタル出力端子はこのようにして、アナログ音声出力へ変換することもできます。
音のとり回りがしやすく、お気に入りのスピーカーで臨場感のある音声を楽しみたいというユーザーのニーズも満たしてくれるでしょう。
PS4 Proは性能面の向上や、端子周りなどの充実度が大幅にパワーアップしているといえますね!……でもお高いんでしょう?
「いえいえ、そんなことはございません」と言いたいところですが、ちょっとだけ高いです。
PS4 Proは「CUH-7000BB01」が本体価格44,980円(税抜)となっており、現行版PS4のHDD容量1TBモデル(CUH-1200BB01)39,980円(税抜)と比べると5,000円高くなります。
記事本題とは違いますが、ここへさらにスリム版PS4のHDD容量1TBモデルである「CUH-2000BB01」が34,980円(税抜)であることを考えると、両者の間には1万円の差があることになります。
PS4 Proでしか遊べないゲームは存在しない
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後々PS4 Proの専用ゲームタイトルがでるんじゃないか?と警戒している方もいると思いますが、PS4 Pro専用タイトルの存在は否定されています。
伊藤雅康氏:
そうですね。我々から,「標準のPS4とPS4 Proに向けたゲーム開発のガイドライン」は示させていただいています。
まず,「PS4 Pro専用のタイトルを開発しない」というのは(ガイドラインに)あります。逆に「標準PS4専用のタイトルを開発しない」というのもありますね。
引用元:4gamer.net
PS4 Pro専用タイトルは作らないというガイドラインがあるため、現行型やスリムPS4だからやりたかったゲームがプレイできない……、という自体にはならないようです。
この点は既にPS4を所持しているユーザーとしても安心できますね。
もしまだプレイステーション4を持っていなくて、これから購入予定の場合、自分のゲームプレイスタイルに合わせて、PS4本体のどのモデルを買うか検討しましょう。
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