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スペースXのブースター着陸がまるでCGか逆再生!垂直に着陸する理由や失敗例集。ファルコンヘビーの偉業を知ろう

スペースX初の商業打ち上げが19年4月11日に成功しましたが、通常は使い捨てになるブースターが3機全て自動で帰還、着陸するという動画がとてもすごい!

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SpaceX大型ロケット「Falcon Heavy」のブースターが自動で戻ってきて垂直に着陸する!まるでサンダーバードやSF映画のよう

あまり宇宙やロケット技術に興味がない人であっても「スペースX」という名前は聞いたことがあるかもしれません。あるいはその創業者の名前は知っているでしょうか。

スペースX社はロケットや宇宙船の開発、打ち上げといった宇宙輸送を手がける会社で創業者は色々と有名な「イーロン・マスク」氏です。電気自動車のテスラでもよく名前を聞きますよね。

イーロンマスク氏は決済サービスのPayPal(ペイパル)の創業者でもあり、PayPalは利用したことがあるという人は多いのではないでしょうか。

さてそんなスペースX社ですが、つい先日「ファルコンヘビー」というロケットの打ち上げが成功しました。もちろんそれ自体もすごいことなのですが、もっとすごいのはそのあとです!

筆者を含めて、ロケット技術にあまり精通していない人は文を読むよりもまず実物を見たほうが早いです。とにかくこれを見てください。

なんとロケット部分が戻ってきて垂直に着陸しているのがわかりますよね!初めてこれを見てしまうと「え、逆再生?」「CGじゃないの?」と疑ってしまいそうになるのですが、ところがどっこい、これが現実……!

上記動画は2019年4月11日に打ち上げられたファルコンヘビーというロケットのブースター(実際のエンジン部分)が切り離されたあとに地上へ自動で帰還している様子を映した動画です。

ロケットブースター部分は今まで使い捨てだったが「自動で帰還させて回収できるようにしたら打ち上げコスト抑えられるよね」という発想

もともと今までの他の宇宙ロケットは、飛ばすときのブースター部分は基本的に使い捨てであり、本体から切り離したあとは大気圏で燃え尽きるように設計されていました。

宇宙ロケットの機体部分が帰還、回収して再利用するという視点においては、今回のファルコンヘビーの原型であるスペースX社の「ファルコン9」がスペースシャトル以後では初となるのです。

スペースシャトルが「オービター」(あの白黒の宇宙船本体部分)と呼ばれる部位に宇宙飛行士を乗せて帰還・回収していたのに対して、無人ロケットであるファルコンはブースター部分(第一段目)のみを帰還・回収させます。

もしこのブースター部分を回収して再利用できるのであれば、打ち上げのコストをより安くすることができるという発想のもと、このブースター自動着陸の技術が発展してきました。

しかしここまで綺麗に垂直に着陸されるとまるでサンダーバードのようではありませんか!何かのSF映画でも見ているような気分になってしまいます。それだけ強烈なインパクトがありますよね。

スペースXのブースターがわざわざ垂直着陸する理由は最も合理的だったから。現代の技術があってこそ可能になった回収技術といえる

引用元:Wikipedia

でもなんでわざわざ垂直に着陸させるのかと思ってしまいますが、これにも理由があって結局その方が合理的だったからです。

例えばパラシュートなどがもっとも思い付きやすい回収方法ですが、この場合洋上着水させないといけません。これだけ重量があるものですから地上落下は危険ですし破損したら使い物になりません。

かといって揚力を生じさせるために翼を付けたとしたらロケット自体大型化しますし汎用性がなくなってしまいます。

一番現実的にみえるパラシュート方式ですが、海水にさらされても腐食せず再利用できる素材を使わなければならないなど制約が大きくなってしまい、かえってコストがかかってしまいます。

そういった理由から早期にパラシュート式は中止され、現在のような逆噴射による垂直着陸方式が採用されたのです。もとから噴射装置がついているんですから、それを利用しない手はないわけですね。

ただ理屈で言えばたしかに不可能ではないことはわかるのですが、やはりロケットが垂直状態でスルリと戻ってくると正直ビビります。

しかしよくよく考えてみれば、私たち一般人でも10万円程度だせば超高性能なドローンが購入できるわけですし、それだけテクノロジーの進歩があるのですからロケットが垂直に「ただいま~」したっておかしくありません

ロケットブースターを3機着陸させられたのは今回が初めて!スペースX公式動画の失敗集を見れば「失敗は成功の母」ということを痛感する

今回の4/11のファルコンヘビーの打ち上げは2回目ですが、依頼主有りの商業飛行としては初めての成功を収めました。

積荷は通信衛星の「アラブサット6A」というもので、サウジアラビアのアラブ衛星通信機構が運用する通信衛星です。さらにこの回は3機あるブースターを全機着陸させることができたという大成功を収めました。動画には2つしか映っていませんが、もう1つは洋上の無人ドローン船に着艦しています。

続報:洋上に着陸したセンターコアと呼ばれるブースターですが、時化のため転倒し、回収することはできなかったようです。

ちなみに第1回目のファルコンヘビーの打ち上げは2018年2月6日に行われており、ことのきはダミーペイロード(顧客の積荷を搭載しない打ち上げ)でイーロン・マスクCEOが所有するテスラ・ロードスターという車と、スペースX社製宇宙服着用の「スターマン」というダミー人形を車体に搭載してそれを火星遷移軌道に投入することに成功しました。言ってみれば宣伝用の打ち上げです。

このときも同様にブーススター着陸は行われたのですが、2機のサイドブースターは地上への着陸したものの、センターコアブースターは洋上のドローン船への着陸に失敗しています。

先ほどの動画ではあまりにも華麗に決めすぎていてとても簡単に見えてしまいますが、素晴らしい技術の前には多くの失敗があるものです。

スペースX社はYoutubeの公式動画として「How Not to Land an Orbital Rocket Booster」(軌道ロケットブースターが着陸しない方法)と題した失敗集動画をアップロードしています。

ドキュメンタリーのようなものではなくて、まるで一般ユーザーが作ったかのような軽快なBGMと合わせて面白おかしく編集してあるので楽しくみることができます。これを公式にやっちゃうあたりがスペースX社のすごいところでもありますが(笑)

ただ、先ほどの動画の大成功を収めるまでには、血と汗と涙の結晶のロケットが何度も失敗してようやくそこにたどり着いたというメッセージが伝わってきますよね。まさしく「失敗は成功の母」という格言どおりと言えるでしょう。

やはりこうした技術の進歩によって、あっと驚くようなものを見れると、その分野に詳しくなくても感動を覚えてしまいますね。それに何だかとても夢のある話ではありませんか。

私も今回のニュースを見て大興奮してしまった口ですが、今回の件でスペースX社にさらに興味が湧いてきました。今後の動向からも目が離せませんね!

技術
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