3月3日発売の「Nintendo Switch」、予約できた方は待ち遠しいはず。ところで任天堂のゲーム機は子供向けのイメージが強いですが、スイッチは子供向けと言えるでしょうか。
子供向け保護の機能充実はさすが。しかし耐久性とオンライン有料化などで一概に子供向けと言えないような
任天堂のゲーム機は販売戦略などにも影響されていますが、ソニーのやマイクロソフトなどと比較するとどちらかといえば子供向けの印象がありました。
これは決して子供っぽくて幼稚だという意味ではなくて、小さな子でも純粋に楽しいと思える素晴らしいゲーム作りをしてきた結果とも言えます。Wiiでは家族ごと吸収してしまいました。
今回久々に任天堂が発売するゲーム機、ニンテンドースイッチはコントローラーを着脱可能にして様々なシーンに合わせられるよう「スイッチ」できるというコンセプトのゲーム機ですが、これは果たして子供向けと言えるかとなると少々疑問です。
ジョイコン着脱ギミックで耐久性に不安を抱く
まず一番最初に気になったのが耐久性の面。今まで任天堂のゲーム機といえば耐久性には定評があり、少々乱雑に扱ったところで致命的な損傷はないというのが評価されてきました。
その頑丈さは、「ゲームボーイの試作機を当時の山内社長が床にたたきつけて壊れなかったので、発売にGOサインを出した」などの伝説でも有名です。
ちなみにこの話は任天堂広報室によれば、
「子供さんが触られるので、厳しい耐久テストがあるのは事実だが、いつの間にか、そのような話ができあがったようです」と語る。
引用元:ZAKZAK
とされており事実ではないものの、このような逸話が出てきたのもその耐久性ゆえでしょう。
さて話はニンテンドースイッチへと移りますが、このゲーム機最大の特徴はやはりジョイコン部分が着脱できて、携帯ゲーム機から据置ゲーム機に形態が変化するところ。初めてその様子を見たときは「おぉ~、すごい!」と同時に「壊れやすそう?」と考えてしまいました。
機械物は稼動部が多ければ多いほど壊れやすいものです。特に携帯ゲーム機は持ち運ぶ性質上、そういった部分には気を使います。
ゲームソフト自体はカートリッジタイプのため回転系がなく、その点は有利ながらもジョイコン着脱というギミックがあるため「かなり攻めにいったな」という印象です。
大人は当然無茶な扱いはしませんが、子供も同じようにゲーム機を扱ってくれるでしょうか。携帯ゲーム機状態で遊んでいるとき、ついつい力が入ってジョイコンレール部分を傷めてしまわないだろうかと不安なのが正直なところ。
オンライン有料化。維持費がかかるため仕方ないが、無料でできた今までから比べるとハードルはあがる
次にオンラインサービスの有料化があります。
サービスの維持には当然費用がかかりますから、有料化になるという流れも理解できますし個人的には品質を保つという意味で賛成です。
現在のところ、オンライン有料化の料金は年間で2,000円から3,000円になる見通しで、月額にすると250円程度ということになります。
任天堂の新ゲーム機「Nintendo Switch」のオンラインサービスは秋以降に年額2,000円〜3,000円の課金を予定していることが明かされました。
Nikkei Asian Reviewによれば、任天堂の君島社長は取材に対してオンラインサービスの有料化について言及。理由として、「有料サービスならば、顧客にコミットすることができる」と発言しています。
引用元:gizmodo.jp
子供のお小遣いでも支払える範疇には収まっていると思います。PS Plusなどのサービスに比べてもかなり安く設定されているのがわかりますね。
ただ、今まで任天堂のゲーム機はオンラインプレイやサービスが無料で行えていただけに今回から初導入となるオンライン要素有料化のショックはそれなりにあるはずです。
支払い方法はどうなるのでしょうか。オンライン要素を利用するにはニンテンドーアカウントが必要になりますが、それにチャージする形か、クレジットカードでの支払いか……、いずれにしても継続的な課金が必要となれば、「子供に本体を買い与えて終わり」とはいかないかもしれません。
みまもりスイッチなどの保護機能は素晴らしいが、視点は保護者(大人)目線である
ニンテンドースイッチには親が子供のゲームを制限したり保護したりする「みまもりスイッチ」というアプリと連携する機能が備わっています。
これは「ペアレンタルコントロール」というもので、早い話「ゲームは1日1時間までよ!」なんてことがシステム的に可能。
隠れてゲームプレイ!なんてこともできなくなっちゃうわけですから、子供からしてみれば「おい任天堂余計な機能付けるんじゃない!」と文句も出そうです。
そのあたりのルール作りは各ご家庭内のこととして、親からしてみればSNSへの写真画像アップロードなどを制限したりすることもできるので、「子供を保護」するという役割を果たしてくれる機能でもあるため、安心できる面があります。
このあたりはさすが任天堂だなと感心するのですが、これは子供向けの機能というわけではなくて保護者向け(つまり大人)の機能です。
子供向けハードという括りはもうナンセンスなのか。革新的なゲーム機を目指す任天堂
ニンテンドースイッチの価格設定も税抜価格で29,980円と、こちらも今までに比べると少々高めでプロモーションビデオに登場する人物も大人ばかり。
今までの任天堂ゲーム機の流れから比較すると、ニンテンドースイッチは色々と大人路線が色濃く映ってみえます。
小さい頃からスマホが当たり前の時代。子供向けとはなんだろう
では子供向け路線から方針転換をするつもりなのかといえば、それもちょっと違うのかもしれません。
今時のナウでヤングな世代の子供は、小さい頃からスマホがあって、ネットに繋がる環境が当たり前の時代に生きています。
任天堂は昨年からスマートフォンゲーム市場にも参入していますが、その事情も一番良く知っているはず。考えてみればニンテンドースイッチはスマホにコントローラー部分をぶっ挿したようなものですもんね。
そうなると、もはやゲーム機自体を指して「子供向け」「大人向け」という括りをすることがナンセンス。時代遅れなのかもしれません。
プレイステーションなどは昔からどちらかというと大人向け路線で来たため、それほど悩む必要はなさそうですが、子供たちから広く支持を得ていた任天堂は一番時代の流れに敏感なのでしょう。
スマホゲー市場と合わせた戦略、ニンテンドースイッチの今後に注目したい
任天堂は昨年からスマホゲー市場にも参入し、ファイアーエンブレムヒーローズではアイテム課金制を導入、ガチャ要素も追加したりと同社としては新しい試みを行っています。
延期となってしまいましたが、どうぶつの森シリーズのスマホ版ではゲーム専用機向けの『どうぶつの森』シリーズと、何らかの形で連携できる要素も検討されています。
今はまだスマホゲー部門とゲーム機部門が分かれて見えますが、こういった連携機能がたくさん出てくれば、この2つは密接な関係になるのでしょう。前述のみまもりスイッチは、その序章といえるでしょうか。
そういう方向性も睨んだ上で、ニンテンドースイッチを展開していくのであれば任天堂の非常に大きな戦略もうかがえます。
ニンテンドースイッチという名称には、任天堂自体の変革を暗示させるものが込められているのかもしれません。
今後の任天堂のスマートフォン向けアプリ、そしてニンテンドースイッチの動向から目が離せませんね!3月3日の発売日が待ち遠しいです。
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