7月に入って突然発表された新型ニンテンドースイッチ、噂されていたスペックとは異なるものでした。従来機を持っているユーザーが買換える価値があるのか、比較しながらみていきます。
新型ニンテンドースイッチは有機EL画面、ベゼルも薄くLANポートを最初から備えているが、CPUやRAMの性能は変わらない
引用元:任天堂
ソニーがプレイステーション4のスペックアップ版である「PS4 Pro」を出したように、任天堂もいつかニンテンドースイッチの新型、いわゆる「Nintendo Switch Pro」が出るのではないかとゲームハード界隈では以前から噂されていました。
そんな中、7月に入って突如任天堂が新型のニンテンドースイッチの発表を行いました。突然のことでしたから驚きましたね!
「4Kに対応するんじゃないか」とか「CPUやGPUが強化されてハイパフォーマンスになる」というような噂が前からあっただけにこの新型スイッチ発表を楽しみにしていた方も多いとは思いますが、実際のところは勝手な期待が高すぎた結果になりました。
そもそもこの手の噂を全部鵜呑みにしている方は少ないはずですが、まあ分かってはいても人間噂話は好きなものです。
さてそんな新型機、私自身発売当初に買った旧ニンテンドースイッチを現役で使っているユーザーなのですが、その上で今出ている情報から判断すると結論から言ってしまえば「従来機と運用上は大して変わらないが新規ユーザーはこれを買えば良い。従来機を持っている人はヘビーユーザーほど買い換えるメリットは少ない」と思います。
どうしてそういう結論になるのかを以下で解説と比較をしながら見ていきましょう!
従来のニンテンドースイッチと新型ニンテンドースイッチの違い比較と解説
10月8日に発売となる新型ニンテンドースイッチですが、従来のニンテンドースイッチと違う部分をまずは把握していきましょう!
技術的な部分にも触れながら、新型ニンテンドースイッチの特徴を解説していきます。
有機ELディスプレイ(OLED)を採用
引用元:任天堂公式チャンネル
一番の目玉となる変更点ですね。ニンテンドースイッチ本体のディスプレイが液晶ディスプレイから有機ELディスプレイへと変更になりました。
「有機ELディスプレイってよく聞くけど何なの?」という方向けに簡単に説明すると、通常の液晶は自分で発光することができないのでバックライトによって光らせていますが、有機ELは「自発光方式」といってパネルそのものが光ります。
この発光材料に有機物を使っていて、これに電圧をかけることで発光する現象を「有機エレクトロ・ルミネッセンス(Electro Luminescence):有機EL」と言います。よく聞く有機ELテレビとかもこれですね!
このおかげで1画素ごとに明るさの調整が可能で完全にオフにすることもできるので、液晶では光が漏れて表現し辛いとされる「黒色」を有機ELではより深く表現することができます。
真っ黒や黒系の色をしっかり出せることによって明暗差が充実し、ハイコントラストな鮮やかな画面表現が実現できるというわけです。
有機ELにはその他にもメリットがあり、
- 構造を単純化できるので軽量・薄くすることができる
- 視野角が広いので横や斜めからでも見えやすくなる
というような特徴を持っていて、大画面のテレビのようなものから、スマホのような小さいものまであらゆる大きさで恩恵を受けることができる優れものなのです。
ディスプレイ幅が広がった
引用元:任天堂
前述のように構造を単純化できるため、画面の縁(ベゼル)部分も薄くすることができます。
これによって、ディスプレイ解像度自体には変更はありませんが、画面サイズが6.2インチから7インチと大型化し、より迫力のある映像を楽しむことができます。
上記画像のように比較を見てみると大きな違いがあることがわかりますね。
大型化したフリーストップの背面スタンド
引用元:任天堂公式チャンネル
ニンテンドースイッチはコントローラのおすそ分けなどによって屋外などでも楽しむことができますが、その際重要なのが背面スタンド。
新型ニンテンドースイッチは背面スタンドが本体の幅とほぼ同じ広さになっており、さらにフリーストップとなっているので好きな角度で安定して立てることができます。
比較のためにこちらの旧型ニンテンドースイッチを見てください。
発売当時、当サイトにてもレビューしたのですが旧型のニンテンドースイッチはこのように本体背面左端のように細めのスタンドがあり、その部分にmicroSDカードスロットがあるという構造になっています。
パッと見てわかる通り、旧型のスタンド部分の強度については不安が残る設計で、不慮の事故などによって破損してしまう危険が高いです。
また、完全な平面であればスタンドとして問題なく機能しますが、凹凸のあるような接地面ではスタンド部分の置き場所を考慮する必要があります。(デザイン上隙間の多い家具や屋外のテーブルなどでは特に)
こうした点において、新型ニンテンドースイッチは背面スタンドに改良が施されているのは大きなポイントといえるでしょう。フリーストップ式のワイドスタンドは屋外に持ち出す機会が多い場合は活用するシーンが多いはずです。
ドック背面には有線LAN端子を標準装備している
引用元:任天堂公式チャンネル
こちらも大きな変更点ですが、新型ニンテンドースイッチには有線LAN端子が標準で装備されています。
旧型のスイッチでは有線LAN端子がなかったため、別途市販品のUSBに増設できるタイプの有線LANアダプターを購入して取り付ける必要がありました。
そもそも必要がありましたというと「Wi-Fiで繋がるんだから必要なくない?」という意見もありますが、オンラインでの対戦ゲーム、たとえばスマブラSPのような遅延などがプレイに大きく影響するようなゲームの場合はこのラグが命取りであり、使用者だけでなく対戦相手にも迷惑がかかったりする仕様でした。
そのためカジュアルにプレイする分にはあまり必要が無いように思えますが、「ゲーマー」には必須なものです。これをドックに標準装備してくれるようになったのは個人的にとても良い変更点だったと思います。
本体ストレージメモリが32GBから64GBに倍増した
引用元:任天堂
ニンテンドースイッチの本体ストレージメモリはゲームのダウンロードやセーブデータ、写真の保存などに使う領域です。
旧型ニンテンドースイッチでは32GBだったため、いくつもゲームをインストールしたりすると足りなくなるのでmicroSDを別途購入して要領を増やす必要がありました。
新型ニンテンドースイッチでは本体メモリが64GBへと倍増しています。そのため、より多くのデータを保存することができるのでたくさんの種類のゲームやコンテンツをダウンロードするプレイヤーには嬉しい改良点です。
本体スピーカーが新しくなった
引用元:任天堂
ニンテンドースイッチについているスピーカーですが、新型では新しい設計のものが搭載されていて、これにより携帯モード・テーブルモードでのプレイ時により臨場感のあるサウンドを提供してくれます。
音に関しては発売前ですし、実機を触ったわけではないのでスペックシートでの判断はできませんが、大画面化したことと合わせてゲーム体験がより充実したものになることは間違いないでしょう。
新型は約23g「重く」なった
間違いやすいのですが、新型ニンテンドースイッチは旧型と比べて約23gほど重くなっています。
読者の方は「あれ? さっき有機ELなら軽くできるって言ったじゃん!」と思いますよね。私もそう思いますが重いんです。
これは本体+左右の Joy-Conを取り付けた際の重量となるのですが、新型ニンテンドースイッチは Joy-Con自体は旧型から変更なしとなっているので単純に本体部分の重量増となった結果です。
約と書いているのは現在公式で出ているスペックシートが英語のもので、悪魔のヤードポンド法で記載されているからです。
該当箇所のみ掲載すると、
ニンテンドースイッチの新型と旧型の重量 | |
---|---|
新型 | Approximately .71 lbs (Approximately .93 lbs with Joy-Con controllers attached) |
旧型 | Approximately .66 lbs (Approximately .88 lbs when Joy-Con controllers are attached) |
となっています。
ジョイコンと本体の合計値で「0.05 lbs」違います。0.05 lbsは「22.67962g」なので四捨五入で約23gとなるわけです。(公式で最初からグラムも併記してくれぇ!)
構造的な問題やスピーカーなりバッテリーなりを改良したことによってこうなったのだと思いますが、新型の方が重いとなるのは一般的には「あれ?」というのが率直な感想でしょうか。
価格が5,002円高くなった
任天堂公式の希望小売価格は、旧型ニンテンドースイッチが「32,978円」で新型ニンテンドースイッチが「37,980円」となっていて、新型の方が5,002円高くなっています。価格はいずれも税込み価格。
この高くなった分はどこに行っているのか?という部分ですが、
- 本体ディスプレイの有機ELが液晶に比べて高額なため
- 本体メモリを倍増させたため
- 新設計のスピーカー
この辺りが大きな要因といえます。
新型スイッチの公式発表後、この価格上昇の点について一部報道では「収益性を高めるために値上げした」という趣旨の報道がありましたが、7月19日には任天堂公式で「事実ではありません」と否定しています。
投資家のみなさまや、お客さまに正しくご理解いただくためにお伝えします。
2021年7月15日(日本時間)に、Nintendo Switch(有機ELモデル)が、Nintendo Switchよりも収益性が高まるといった趣旨の報道がされましたが、これは事実ではございません。(1/2)— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) July 19, 2021
まあ製造ライン云々を抜きにしても実際に手に取る一般消費者の視点からすれば「5,000円で有機ELに交換、高速メモリに容量倍増してスピーカーも変えてくれ」なんて普通無理であることはすぐにわかりますよね。
それを実現しているわけですから正直この価格上昇幅でディスプレイや仕組みの変更を行っているのですからその点はすごいなと思います。
とはいえ、やっぱり5千円となるとソフト1本分くらいの値段になるのでそれなりに大きな違いではあります。この点を考慮したモデルの選び方については後述します。
従来のニンテンドースイッチと新型ニンテンドースイッチでCPUなどの性能面は全く変わっていない
ここまで新型スイッチと旧型スイッチの違いについて見てきましたが、本体性能については旧型と変更点はありません。つまりPS4→PS4 Proみたいな違いはないということです。
このソースですが、
そこで海外メディアVGCが問い合わせたところ、任天堂が公式に「内部的に大きな変更はない」との声明を出したと伝えられています。
引用元:engadget日本版
このように取り上げられていました。
任天堂公式に声明を出している以上、本体性能自体に変化なしというのは間違いないのでしょう。そのため変更点は前述した項目についてのみということになります。
ゲームのフレームレートが上がるとかそういう劇的な変更は望めないようです。
現在のところ10月に発売する新型ニンテンドースイッチ以外に新たなモデルの計画はないと任天堂公式発表
また前述の収益性向上のためのモデルチェンジを否定した任天堂公式ツイートのツリーにぶら下げる格好で、10月に発売される新型ニンテンドースイッチ以外に現在企画している新モデルはありませんという発表がなされました。
また、当社は2021年10月にNintendo Switch(有機ELモデル)を発売いたしますが、現在それ以外の新たなモデルは計画しておりません。(2/2)
— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) July 19, 2021
このツイートからもわかるように、ニンテンドースイッチの更なるモデルチェンジ計画はない(少なくとも現時点では)ということが明確になりました。
つまり、ニンテンドースイッチのラインナップは、
- ニンテンドースイッチ
- ニンテンドースイッチ有機ELモデル
- ニンテンドースイッチライト
の3機種に絞られたわけです。
こうしたことを踏まえた上で、有機ELモデルの新型ニンテンドースイッチを買うべきか買わないべきかを次の項目でまとめましょう!
新型ニンテンドースイッチを買うべき人と買わない方が良い人。新規ユーザーや持ち運び主体なら新型が良い!買換えなら微妙なライン
上記までの価格差や変更点の詳細を踏まえた上で、新型スイッチを買った方が良い人と、買わない方が良い人についてまとめてみたいと思います。
新型ニンテンドースイッチをオススメしたい人
- 年末のクリスマスプレゼントなどにニンテンドースイッチを購入しようとしている
- ニンテンドースイッチLiteを持っているが買い換えたい
- 屋外でのテーブルモード使用や携帯ゲーム機モードで、持ち運びながらアクティブで使うことが多い
- 携帯モードでの映像やクオリティを重視したい
- ダウンロードでゲームを購入することが多い
- 家で使う場合は有線LANで通信の安定性を必要としている
- 本体カラーは絶対に白が欲しいと思っている
新型ニンテンドースイッチを購入した方が良い方についてですが、一番オススメできるのはまだニンテンドースイッチを持っておらず、お子様などへ年末のプレゼント用などで購入したいと考えている方です。
約23gの重量増はあるものの、誤差の範疇といえますし価格の上昇は変更された部分からすれば十分元が取れるものといえます。ご家族や友人とプレイする機会が必然的に多くなるはずですから、視野角的にも新型の方が絶対良いでしょう。
また新型は基本的に外へ出るときに持ち運びたいと考えているユーザーと相性が良い部分に変更が加わっているため、屋外でプレイすることが多い方や、ニンテンドースイッチLiteを持っている方で据え置きプレイもしたいなどの理由から買い替えを検討している方も画面サイズやコンセプト的にこちらの方が良いです。
家で使う場合でも、対戦ゲームなどではしっかり有線LAN接続をしようと考えているなら最初から有線LAN端子が付いている方がスマート。
本体色も重要な要素。多くの場合白色は人気カラーであり、コラボモデル以外で考えれば新型スイッチでのみ「白」が選べるようになっています。
据え置きゲーム機として使用する場合のドックはテレビの近くに置くことが多いですが、その際カラーコーディネート的に黒が合わないシーンも多いでしょう。こうした理由から白色が欲しい場合は必然的に新型になります。
前述の持ち運び部分にも被りますが、ダウンロードでゲームを買うことに抵抗が無く、たくさんゲームを持ち歩きたい場合も本体メモリが多い方が良いですね。
新型ニンテンドースイッチをオススメできない人
- すぐにでもやりたいゲームがあり10月の発売日まで待てない
- ゲームは遊び終わったら売りたいのでパッケージ版を買う派
- 屋内使用がメインで据え置きゲーム機としての使用でガッツリゲームがしたい
- 現状でニンテンドースイッチを既に持っているが買換えを検討している
- 仕事に使う用などでUSBの増設LANアダプターを持っている
- 本体色にこだわりはない
- 安さは絶対正義であると思う
では逆に新型スイッチをあまりオススメできない方について見てみます。
一番オススメできない方は既にニンテンドースイッチを所持しており、ゲーマーとして据え置き機モードでガッツリプレイしている方です。
基本的に総評として買換えするには若干材料が乏しいかなという印象なのですが、ゲーマーであるほど環境にはこだわる傾向にあります。
そういう方は大抵の場合ドックに差し込んでフルHD解像度でプレイすることがメインであり、既に有線LANアダプターも購入済みかと思います。こうなると純粋な買換え目的となりますが、これだとやはりちょっと材料が弱いです。
というのも新型の一番の目玉である有機ELも据え置き機として使った場合はメリットが全く活かせません。画面が大きく綺麗になってもドックに差し込んでしまえば見えなくなってしまうからです。
加えて、せっかく新しいスピーカーも据え置きモードではHDMI出力に変るため機能しません。
屋内で据え置き機がメインの使い方をしている、またはそうする予定である方はあまり新型機の恩恵を受けることができない点は一番考慮すべきポイントといえます。
これから購入予定である場合でも10月まで待てることが前提となりますし、ゲームは遊び終わったら売りたい派はパッケージ版を購入したいでしょうから、本体メモリが増えても恩恵は薄いです。
5,002円というソフト1本分くらいの価格差があるわけですから、上記の様な屋内メインのゲーマーな場合で少しでも安く手に入れたい方、本体色にこだわりがないならば、これから買う場合でも旧型の方が良いかもしれません。
USBの有線LANアダプターを持っていなくても1,600円程度で購入できますので、お釣りがくるからです。
新型ニンテンドースイッチの発売日は2021年10月8日発売。品薄になることが予想されるので、年末のプレゼント用途の場合は必ず予約しておこう
さてこの記事の中では新型ニンテンドースイッチの詳細や比較をしつつ見てきましたが、総評としては旧型スイッチから買い換える用途なら微妙なラインではあるが、新規購入するなら新型が良いということになります。
ゲーム機はそれなりに長く使う物ですし5,002円の価格上昇分も実際に遊んでいれば十分恩恵にあずかることはできるでしょう。
10月の発売日まで待てる方や、特にクリスマスプレゼント用に欲しい方は新型ニンテンドースイッチを買っておけば間違いはない(そもそも上位版なので価格以外のデメリットがほぼない)というのが結論です。
ただその場合注意して欲しいのは必ず予約して、年末にプレゼントする場合でも品物は予め入手しておきましょうということです。
昨今の巣ごもり需要でゲーム機の需要は非常に高く、転売屋が跋扈している状況から考えれば、新型ニンテンドースイッチも転売の餌食になることは目に見えていますから、年末にプレゼントする予定がある方は早めに入手しておきましょう!
コメント
「本体に大きな更新は無い」とありますが、最近の本体アップデートでBluetoothオーディオ対応や、ドックの更新など追加されましたけど、有機モデルはBluetooth5.1対応や、ドックが昔から噂されてるDLSSに対応したりするんですかね?Bluetooth(Wi-Fiも?)のモジュール交換自体は大きな変更ではありませんし、ドックにGPUを積むこと自体は本体の変更でもありませんし。。